「田舎者」と笑われた私、実は裏社会の女帝でした ~冷徹社長に正体がバレて溺愛される~

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第197章 彼女は強欲ではない

稀少な宝石を見慣れているはずの橘凛(たちばなりん)でさえ、その瞳の奥には微かな驚嘆の色が走った。

だが、彼女は瞬く間に平静を取り戻す。その視線は精密機器のように冷徹に、魅惑的な赤い結晶を走査していく。そこには貪欲さも、独占欲の欠片も存在しなかった。

彼女は細い指を伸ばし、慎重に三粒を選び出した。

一つは鳩の血(ピジョン・ブラッド)のように濃厚で深みのある色合い。一つは大きさこそ手頃だが、極上の輝き(ファイア)を放つもの。そしてもう一つは、後の加工がしやすい整った形状のものだ。

「必要なのはこの三つだけだ」

彼女は選んだ宝石を掌に収めると、箱の蓋を閉じ、残りを箱ごと一条星夜(いちじょ...

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